Walking With My Angel

夫の好きなところばかり書いています

夜の散歩で

先日、夜の散歩に出かけた時、

 

ふと以前に住んでいたマンションのことを思い出した

 

湿っぽい雨上がりの夜で、

 

その香りが当時どこかで吸い込んだ

 

雨の匂いに似ていたからかもしれない 

 

 

私たち夫婦が、新婚当初、最初に住んだ家は古いマンションだった

 

わたしが好きな街と彼の職場に近い場所から選んだらそこになった

 

賃貸契約をしたのは、古いけれどちゃんとした作りのマンションで

 

住んでいたのは、新築当時に購入された年配の方々ばかり

 

私たちのような若い夫婦は少なかった

 

私たちは外国人なので、住人の中では一番浮いていただろうと思う

 

 

大好きな人と結婚

 

人生初のこの体験はとても刺激的な出来事で

 

中でも 二人で住む家を決める行為はもっとも楽しい作業だった

 

 

吉祥寺、初台、笹塚、阿佐ヶ谷、高円寺

 

彼と不動産屋へ行き たくさんの賃貸物件情報を眺めた 

 

どの家の家賃も高く、当時、まだ新卒だった彼には

 

大きな負担だったろうと思う

 

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それでも古いマンションを選んだ理由は

 

オートロックなどの防犯性に優れていたから

 

そこは私達にギリギリ払える高めの家賃だった

 

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あれから10年以上の時が流れ

 

今は都内の戸建てに住んでいる

 

2年前に買った新築の家は

 

外壁も建物も私好みの装飾で、娘たちも

 

私達こんな家にずっと住みたかったの!と言って喜び

 

満足しながら暮らしている

 

 

それでも

 

夜道を歩きながら ふと思う

 

最初の家は、アパートでよかったかもしれない

 

子どもがいないまだ二人きりだった頃、

 

彼の帰りを待つのに部屋の広さはあまり重要ではなく

 

あたたかい食事がのぼるテーブル

 

借りてきた映画を見るための大きめなテレビ

 

二人でよかかれるソファがあればそれでよかったのかもしれないなと

 

 

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守るものが沢山できた今は堅牢な家が望ましいけれど

 

ただ愛をはぐくむための家なら、小さな部屋一つでよかった

 

もしも今、数か月だけ、あの頃に戻れるのなら、

 

あなたと二人

 

知らない街のアパートの2階に住んでみたいなと思う